都忘艸*中山孝親 和歌短冊「朝時雨」(晩秋) 室町後期/ 工場 古筆・和歌・古筆切

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xvpbvx ↑ 裏面です ↑ *中山孝親(なかやま・たかちか)和歌短冊「朝時雨(あしたのしぐれ)」(晩秋)室町後期/古筆・和歌・古筆切


【時代・筆者に関して】
○書風から室町時代後期頃とみられる。


○署名に「孝親」とある。中山孝親(なかやま・たかちか 1513-1578)の広く知られる真筆との比較により、本短冊が孝親の真筆(自筆)と認められる。
《参照画像1》に孝親筆の和歌懐紙「春日同詠鶯告春(はるのひ おなじく うぐいす はるをつげる をえいず)」(『和歌懐紙集成』汲古書院2005年刊)と本短冊の画像を掲出し、
《参照画像2》に孝親筆の和歌短冊(伏見宮家伝来『短冊手鑑』/日本古典文学影印叢刊16 1978年刊)と本短冊の画像を掲出し、
それぞれ筆跡の比較を試みている。
御参看願いたい。


○中山孝親(なかやま・たかちか 1513-1578)は室町時代後期の公家(公卿 くぎょう=高位の公家)。室町後期から足利将軍家が京都を追われ(1573年)混乱を極める時代を生き、後柏原天皇・後奈良天皇・正親町天皇の三代に仕え、亡くなる直前には准大臣(じゅんだいじん=大臣に准ずる職)となっている。
父は中山康親(やすちか)、母は正親町公兼(おおぎまち・きみかね)の娘。妻は五辻諸仲(いつつじ・もろなか)の娘。子には中山家を継いだ親綱(ちかつな)や大炊御門(おおいのみかど)家を継いだ経頼(つねより)らがいる。
孝親の文芸上の事跡は手許の資料では詳細不明だが、数多くの古典文学を書写しており、歌会などにも参加したことが伝わっている。


○中山家は藤原北家(ふじわらほっけ)の支流で、平安末期の中山忠親(ただちか1131~1195)を祖としている。中世から近世・近代と存続している。




【内容について】
「朝時雨(あさのしぐれ)」と題して、紅葉した山々の様子が変わって次第に冬に向かう景色を詠じている。


「朝時雨 山姫(やまひめ)の 秋の名残(なごり)も 雲となりて あしたの空に しぐれゆくらむ 孝親」
(山姫乃 秋農名残毛 雲止奈利天 安之多能空尓 志久礼由久良武)
大意:山を守る女神がみせてくれた紅葉の美しさも 次第に雲に隠れるようになり 朝の空には冬の始まりを告げる時雨が降り始める
※山姫:山の擬人化。また山を守っている女神を云う。
※時雨:晩秋から初冬にかけて降る冷たい雨。降ったり止んだりの通り雨。




【材質など】
○紙本墨書(しほん・ぼくしょ)
・肉筆。料紙(りょうし)は藍と紫の内曇紙(うちぐもりがみ;雲紙とも)。裏打ち紙が施されている。裏面には墨書注記はみえない。


○料紙の状態は時代並みのイタミがみられるが良好と云える。




【寸法】タテ 約34.2cm×ヨコ 約5.5㎝


※その他注記など・・・
・筆者名は基本的には署名・伝承筆者によっています。自筆・真筆であるか否かについては説明文中でふれています。
・詳細は画像資料その他を御覧ください。また、釈文等は省略・誤読もあろうかと思いますので御参考程度にお考えください。どうぞよろしくお願いします。
・出品取り消しについて・・・基本的には御入札のない場合に限りますが、画像・解説の改訂を行なう際や、他所にての販売機会との兼ね合いで、出品取り消しを行なうこともあります。たいへん失敬ながらどうか御諒承ください。
・お値段については、以前に御意見・御質問をいただいたのですが、必ずしも相場を反映していないかもしれません。主に入手経緯・架蔵分などの諸事情や、個人的な関心・評価に基づくものだからです。今後とも御意見・リクエストなどお待ちしております。

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